
【ケレタロの基本情報】

①都市概要
ケレタロは、メキシコの中央部に位置するケレタロ州の州都です。面積は760㎢、ケレタロ州の人口約230万人(2021年現在)のうちの半数近くの105万人が住むケレタロ州最大の街です。

ケレタロの正式名称は、「Santiago de Queretaro サンティアゴ・デ・ケレタロ」といい、スペイン領メキシコを統治した初代副王メンドサのもと、スペイン人と先住民が平等に暮らすことを理念として、1531年に建設されました。
「サンティアゴ(聖ヤコブ)」はスペイン人をチチメカ族、オトミ族の反乱から守った守護聖人で、ケレタロの街が一望できる丘の上のサンタ・クルス寺院の十字架に祀られています。

街はサン・フランシスコ聖堂を中心に、西側には碁盤目状に区画整理されたスペイン人居住区、東側には狭く曲がりくねった道路沿いに建物が並ぶ先住民居住区が造られ、スペイン占領地には珍しくスペイン人と先住民が共生しながら繁栄してきた植民都市となりました。

17世紀から18世紀にかけ発展した街並みは歴史地区として現在も残り1996年に「ケレタロ歴史的建造物地区」として世界遺産に登録されました。
② 交通 / アクセス
ケレタロは、レオンの南東約170km、メキシコシティの北西約215km、どちらからも車で3時間圏内ということで物流、観光、居住あらゆる面において非常に重要な場所に位置します。最寄りの国際空港はケレタロ国際空港で市内から33kmにあります。また、メキシコシティ国際空港へはケレタロのバスターミナルから直通便が運行しているので、国内外からのアクセスも非常に便利です。


③治安
ケレタロの治安はメキシコ国内でも良いと評価されています。その理由に世界遺産に登録されている歴史地区へ訪れる国内外からの観光客や、州内に進出している外国籍企業への安全確保のため、州政府によって治安維持が徹底されています。また、ケレタロ市はメキシコの中では非常に珍しく非暴力的な方法でスペイン征服者と原住民族との協力によって創られました。長年に渡りスペイン人と原住民が同じ街に共生してきた歴史があります。その名残からケレタロには平和的な印象が強く、現在もケレタロ市民が安全に暮らせるよう平和な街づくりが継続されています。
【ケレタロ 5つの魅力!】
ケレタロには世界遺産の歴史建造物地区と近代化が加速する新市街がありどちらも魅力に溢れています。気候も比較的穏やかで一年を通して過ごしやすいケレタロは日本人にも人気の街です。記述できる魅力が多くて困ってしまいますが、今回はその中でも押さえておきたい5つの魅力を紹介します!
(魅力その1:世界遺産)
ケレタロといえばやはり世界遺産に登録されている「歴史的建造物地区」が魅力です。

ケレタロの歴史的建造物地区は、スペイン植民地時代の街がそのまま保存され、17世紀の特定街路計画と、18世紀の豊かなバロック様式のモニュメントが数多くあります。1700年代のこのユニークな建造物たちは、今日でもほとんど無傷で保存状態が良く、4平方キロメートルにわたる204の街区画内には、合計1,400の文化財に指定されたモニュメントがあります!

中心部から広がる通りを歩いているだけでも歴史ある非日常的な空間を存分に味わうことができますが、世界遺産の街を効率よく網羅したい方にはトランビアがオススメです!
1時間、または、2時間のコースがあり、ケレタロの主要な場所を案内してくれます。
街の中心から代表的な歴史地区の建造物を見ながら走り、水道橋とケレタロの街並みが一望できる展望台へ向かいます。景色を堪能したあと、再び歴史地区に戻っていくコースが一般的で、特に小さなお子様をお連れのご家族にはとても便利で快適にケレタロの街を観光することができるのが魅力ですね。

【ケレタロ水道橋とは?】

ケレタロ名物の水道橋は1700年代初頭に建設されました。全長約2kmの水道橋は、今日メキシコに残された数少ない水道橋の1つで、高さ100フィート(30メートル)に迫る75のアーチは、何世紀にもわたって周囲の山々から市内中心部に水を届けてきました。
ケレタロの中心街を通り抜け Calzada de los Arcos(カルサダ・デ・ロス・アルコス)まで散歩すると、水道橋をすぐそばで見ることができます。街と一体化した水道橋を近くで見ると、その大きさと精巧な作りに驚かされます。
(魅力その2:ワイナリー)

ケレタロはワイン愛好家にとっても魅力的な街です。メキシコのワイン産地といえば、世界的にバハ・カリフォルニアのバジェ・デ・グアダルーペが有名ですが、ケレタロはそのバハ・カリフォルニアに次いでメキシコで2番目のワインの生産地です。国土の広いメキシコでは各地でそれぞれの気候や土壌条件を活かしたワイン作りが行われています。数あるワイナリーのなかでもケレタロで最も人気があるのは、Freixenet MéxicoのFincaSalaVivé(フィンカ・サラ・ビべ)です。
FincaSalaVivé(フィンカ・サラ・ビべ)
Freixenetはスペインで有名なワイン生産者であり、70年代後半にメキシコ中部にワイナリーを開設した企業の1つです。ケレタロには25を超えるブドウ園があり、地元で栽培されたブドウを、圧搾、発酵、瓶詰めまで行います。ケレタロの街からブドウ園や農場めぐりのツアーもあって、ケレタロのもう一つの名産であるチーズと組み合わせたツアールートもあるので是非参加してみてください。
こちらのサイトではワインとチーズを組み合わせたツアーをいくつか紹介しています。英語のツアーもあるのでオススメです。
Ruta del Queso y el Vino【ビール好きにも嬉しい!】

ワイン好きにとってケレタロは最高に魅力的な街ですが、実はビール好きにとっても嬉しい街です。
ケレタロのセントロ(中心街)を散歩していると、いくつかのクラフトビール醸造所とその場で作られたクラフトビールが飲めるタップルームがあります。クラフトビールはCerveza Artesanal (セルベサアルテサナル)と呼ばれ、その土地々々で醸造された特徴のある手作りビールです。ケレタロにはいくつかの醸造所(ブルワリー)があり、ガストロパブと呼ばれるクラフトビールと美味しい料理が楽しめる場所もいくつかあるのでワイナリーと合わせて訪れてみてはいかがでしょうか?きっと楽しい一日になること間違いなしです!
オススメのガストロパブ
Brewer Gastro Pub Cerveza Hercules(魅了その3 ペニャ・デ・ベルナル)

ペニャ・デ・ベルナルはオーストラリアのエアーズロック、ジブラルタルのザ・ロックに次いで世界で3番目に大きな一枚岩でメキシコ有数のパワースポットとして人気のスポットです。
地面から芽生えているようにそびえる約300mを超える一枚岩へはケレタロから約1時間程度で到着することができます。パワースポットとして有名なのこの巨大な一枚岩の頂上までは上級者向けのロッククライミングコースで、プロフェショナルなガイドと装備が必須ですが、頂上までの約80%地点まではハイキングコースとなっているので一般の観光客でも登れるようになっています。岩の上からは眼下にケレタロ周辺の街や田園の風景が広がる素晴らしい景色を満喫することができます。

【Pueblo Magico 魔法の町 テキスキアパン】

ペニャ・デ・ベルナルへ訪れる道中にはメキシコ観光局から「魔法のように魅惑的な観光地」プエブロ・マヒコとして認定されたテキスキアパン(Tequisquiapan)があります。
テキスキアパンはメキシコの素敵で可愛いところを集めたような小さな街で、ケレタロから車で約1時間ほど、周辺には先述したワイナリーもあり、ペニャ・デ・ベルナルへ訪れる人も、そうでない人も一度は行ってみたい女性に大人気の正に魔法のように魅惑的な町ですので、是非訪れてみてください。

(魅了その4 街歩き)
ケレタロの中心部や世界遺産に登録されている歴史的建造物地区は街歩きがオススメです。

碁盤の目に区画された街中はとても歩きやすく、街には市民の憩いの場としての公園や庭園が多いので居心地がとても良いのが魅力です。美術館や博物館に立ち寄ったり、少し路地に入れば、そこには手作りの民芸品や工芸品、お土産などを販売する露天や商店が並びます。


また、メキシコの街歩きに欠かせないのが地元の人々が集うメルカド(市場)やローカルマーケットです。ケレタロではMercado la Cruz (メルカド・ラ・クルス)がオススメ!ケレタロのセントロ(中心部)、 セネア公園(Jardin Zenea)やサンタ・クルス修道院(Templo y Convento de la Santa Cruz)から歩いて15分程度ですので、街歩きの中継点として訪れてみるのはいかがでしょうか?
メルカド(市場)の魅力はその活気を体験できたり、ローカルな食材や雑貨を購入することですが、なんといっても併設されている屋台や食堂で食べるローカルフードも見逃せません。ケレタロのタコスは美味しくて食べてみる価値ありますよ。

※比較的治安の良いケレタロですが、ローカルな場所に行く際は基本的な危機管理をお忘れなく。
メキシコの治安についての記事(魅力その5:フィリキージャ)

ケレタロの中心から車で約20分にある、最近注目を浴びている地域がフリキージャです。
近年著しく開発を進めるケレタロでもこの地域にはショッピングモール、大型スーパー、病院、銀行、ゴルフコース、ホテル、レストラン、闘牛場、UNAM(メキシコ国立自治大学)やUniversidad Autonoma de Mexico(ケレタロ自治大学)の他、私立学校、スポーツ施設などがあり、治安の良い地区として知られ、日本人の居住者も多く人気のエリアです。
フリキージャには観光名所があるわけではありませんが、快適なホテルが多く、また、世界遺産の街サンミゲル・デ・アジェンデへも車で約30分のところに位置するので、フリキージャを拠点にしてケレタロの魅力の全てが堪能できるのが魅力的です。
バヒオ地域最大のショッピングモールのアンテア、日系や米系のホテル、高級自宅街があるこの地域には日本人居住者だけでなく韓国人居住者も多く美味しい韓国料理もあります。

【FUJITAYA】ケレタロ唯一の日系ホテルFUJITAYAフジタヤ

バヒオ地域、ケレタロ界隈だけでなく、今やメキシコ国内で話題になっている
ホテルFUJITAYAフジタヤはフリキージャにオープンした日系ホテルです。
嬉しい日系ホテルとあって、設備、接客、料理など全てにおけるホスピタリティが日本クオリティで、メキシコ在住者にとっては一度は滞在してみたいホテルではないでしょうか?
ホテルについてはamigaのこちらの記事に詳細がありますので是非御覧ください!
FUJITAYA フジタヤについての記事エントランスからチェックインを終え、部屋に向かう廊下で既に「ここは日本??」と錯覚してしまいそうな空間で魅力たっぷりのFUJITAYAですが、特筆したいのはこちら
【大浴場と露天風呂】
FUJITAYAのほとんどの客室には特注の日本製のバスタブが備えられて満足度が高いのですが、それだけでなくこちらのFUJITAYAにはなんと日本風の大浴場と露天風呂があります!!

【GOEN】日本食レストラン

日本のホスピタリティやお部屋、そして大浴場、更に嬉しいのがホテル内に2021年11月にオープンした日本食レストランGOEN(ゴエン)の存在です!
GOEN はメキシコグァナファト州レオンに2018年にオープンしたIzakaya Goenの2号店として、こちらのホテルに併設されました。
朝食と夕食のご利用ができる当レストランでは、夕食ではバハカリフォルニア産の本マグロや魚介類、オーセンティックな日本食を提供しています。宿泊の方はもちろん、レストランのみの利用も可能です。

朝食では炊きたての美味しいご飯、丁寧にとった出汁でつくる味噌汁とGoenの日本人シェフが提案する20種類以上の和食を中心としたおかずがブッフェ形式で提供されます。日本人だけでなくメキシコ人にも日本の朝ごはんの素晴らしさが味わえる朝食は朝5:00から営業しているので、朝が早いビジネスマンに嬉しいポイントですね。
「熱いお風呂に入って、翌朝は美味しい和朝食」
是非、この機会にここでしか味わえない日本の日常を体験してみてください。
まとめ
世界遺産の街並み、ワイナリーやパワースポット、そしてメキシコにいても日本を味わえる日系ホテルなど、ケレタロには一度の訪問では足りない魅力が満載です。メキシコシティやバヒオ地域からのアクセスも良く、世界遺産のグァナファトやサンミゲル・デ・アジェンデへも日帰りで行くことができるケレタロを拠点にして各地を巡るのも良いですね。
今回はamigaメキシコ街紹介の第2段ということで、ケレタロを紹介しました。
この機会にケレタロを訪れてみてはいかがでしょうか?
次回の街紹介もお楽しみください。