メキシコ国内のサッカーリーグ
メキシコのプロサッカーリーグは”リーガMX(Liga MX)”と呼ばれ18のクラブが参加しています。アメリカ大陸で最もレベルの高いリーグと言われています。資金力があるクラブも多いため報酬も高くアルゼンチン、ブラジルなど中南米の代表選手が多くメキシコのリーグでプレーしています。2017年には本田圭佑選手がパチューカに所属してプレーをしていました。
クラブ別のリーグ優勝回数のランキングはメキシコシティのクラブ・アメリカが13回、グアダラハラが12回、トルーカが10回となっています。
メキシコのリーグにもスペイン同様クラシコ(clásico)と呼ばれ注目を集める試合がいくつかあります。ヌエボ・レオン州のモンテレイ vs ティグレス戦、ハリスコ州のグアダラハラ vs アトラス戦、メキシコシティのアメリカ vs クルス・アスール戦がクラシコと呼ばれます。
特にアメリカ vs グアダラハラ戦は「クラシコ ナショナル(clásico nacional)」「クラシコ デ クラシコス(Cláciso de clásicos)」と呼ばれ大変注目を集めます。
地元のクラシコの試合やクラシコ ナショナルがある日はバーやレストランなどに”Hoy hay fútbol”と書かれた看板が飾られ、スポーツバーでなくても店にあるテレビは全てサッカーにチャンネルが変えられます。バーや家でサッカー好き仲間が集まり一緒にお酒を飲みながらサッカーを見るのがメキシコ人の観戦スタイルです。
メキシコリーグ ビッグ4の特色
クラブ・アメリカ
メキシコシティを本拠地とするクラブ・アメリカですが、メキシコシティ以外にも全国に多くのサポーターが存在します。しかしファンと同じくらいアンチもいるので好き嫌いが分かれるチームです。
膨大な資金力で外国人選手や国内の優秀選手を買い占め、他のチームのサポーターから嫌われているヒール(悪役)的な立ち位置です。
クラブ・アメリカクラブソング掛け声の一例
AMÉRICA, (¡ÁGUILAS!) AMÉRICA, (¡A GANAR!)
グアダラハラ
チバス(雌ヤギ)の愛称で親しまれるグアダラハラのチームです。グアダラハラはハリスコ州以外でも全国的に人気が高く、本拠地のスタジアム以外でもホームのような雰囲気になると言われています。アメリカとは反対にメキシコ人のみを選手に迎えるチームです。
メキシコのクラブはスポンサー数が多くユニフォームには多くのスポンサーのロゴがつくことが多いです。しかしグアダラハラは一時期はユニフォームのスポンサーロゴが一つもないほど、オーナーが資金を持っていました。今でも他のチームのユニフォームに比べてロゴが少ないチームです。
グアダラハラクラブソング掛け声の一例
¡CHIVAS! ¡CHIVAS!
クルス・アスール
メキシコシティに本拠地を置くチームなのでファンはメキシコシティの人が多いです。セメント製造会社によって創設されているのでユニフォームにも大きくロゴがついています。ラ・マキナ・セメンテラ(La maquina Cementera)セメント機械という愛称が付けられています。
クルス・アスールクラブソング掛け声の一例
¡LA MAQUINA AZUL!
ウニベルシダ・ナシオナル
プーマスまたはUNAMの愛称で知られるメキシコシティのチームです。UNAM(メキシコ
国立自治大学)から設立されたサッカークラブです。メインスタジアムも大学の敷地内にあります。そのためサポーターはUNAM出身者や学生が多いです。
ユニフォームはUNAMの大学カラーである青や黄色が使われ愛称のピューマもプリントされています。
ウニベルシダ・ナシオナルクラブソングUNAMの校歌と一緒です。
掛け声の一例
¡GOYA! ¡GOYA! ¡CACHUN, CACHUN, RA, RA! ¡GOYA! ¡GOYA! ¡UNIVERSIDAD!
(一説によるとGOYAという映画館がUNAMの近くにあり学生が授業をサボ
ることをGOYAと言っていたことから掛け声にも使われるようになりました。)
最新版!今注目の3選手
今もっとも注目されている選手の1人!イルビング・ロサーノ選手
イルビング・ロサーノ選手は現在27歳、イタリアのナポリに所属する選手です。ポジションはフォワードでメキシコ代表としてこれまで10得点を記録しています。
2010年メキシコのパチューカでキャリアをスタートさせ、2017年からオランダのPSVアイントホーフェンを経て2019年からナポリでプレーしています。
2016年に代表デビューし、2018年のロシアW杯ではドイツ相手に得点を決めました。
今年のカタールW杯の活躍も期待されますが、4年後の北アメリカW杯では31歳です。W杯での経験も実力も兼ね備えたサッカー選手として1番脂がのった年齢になっていると期待されています。
次世代のメキシコ代表!マルセロ・フローレス選手
マルセロ・フローレス選手は現在18歳でイングランドのアーセナルに所属しています。カナダ人の母親とメキシコ人の父親のもとに生まれ、元サッカー選手である父親がイギリス領ケイマン諸島の女子サッカー代表チームのマネジャーだったためケイマン諸島で育ちました。20歳の姉と17歳の妹もサッカー選手として活躍するサッカー一家の出身です。
15歳のときにアーセナルと初のプロ契約を果たしU-18からU-23まで様々な試合に出場しました。
カナダ、イングランド、メキシコの代表になることができるフローレスですが、U-16からメキシコ代表として出場し、2021年にはメキシコのA代表(U-18、U-23ような年齢制限の無い代表)としても初出場を果たしました。
今年のW杯に代表として選ばれるかまだわかりませんが、このまま活躍していけば4年後のW杯には出場間違いなしの若手注目選手です。
頭蓋骨骨折からの復活!ラウル・ヒメネス選手
ラウル・ヒメネス選手は現在31歳でイングランドのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズに所属しています。
メキシコの強豪クラブ・アメリカにユースから入団し2011年にトップリーグデビューしました。2014年にスペインのアトレティコ・マドリード、2015年にポルトガルのベンフィカ、そして2018年に現在のウルヴァーハンプトン・ワンダラーズに移籍しました。プレミアリーグの月間最優秀選手に選ばれる、プレミアリーグでのメキシコ人選手の最多ゴール数を更新するなどイングランドで活躍しています。
2020年にアーセナルとの試合中に頭蓋骨骨折の大ケガを負いました。しかし2021年には試合に復帰しています。
メキシコ代表としてはU-23代表でロンドンオリンピックに出場し金メダルを獲得しました。2013年にA代表に初めて選ばれ2014年のブラジルW杯、2018年ロシアW杯に出場しています。サッカー選手としては遅咲きのラウル・ヒメネス選手ですが、今年のW杯や4年後の北アメリカW杯でベテランとしてメキシコ代表を牽引していくことが期待されます。
世界的に有名なレジェンド選手
歴代メキシコ代表最多得点王!ハビエル・エルナンデス選手
チチャリートの愛称で日本でも広く知られているハビエル・エルナンデス選手は現在34歳でアメリカのロサンゼルス・ギャラクシーに所属しています。
祖父、父親ともにW杯代表に選ばれたサッカー選手だったハビエル・エルナンデス選手は15歳でグアダラハラとプロ契約を果たします。
2010年にはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドに移籍しました。2011年にはファン投票の年間優秀選手に選ばれるなど、プレミアリーグでは通算36得点を挙げて大活躍しました。元日本代表の香川真司選手とチームメイトだった時期もあります。
2014年にはスペインのレアル・マドリードに期限付き移籍をし1年在籍しました。その後も
ドイツ、イングランド、スペインとヨーロッパのクラブで活躍しました。そして2020年からロサンゼルス・ギャラクシーに加入しました。
代表としては2009年からA代表に選ばれ2010年に南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯、2018年ロシアW杯に出場しました。
今までにメキシコ代表戦で通算52得点を果たし、歴代最多得点王となっています。
メキシコの絶対的守護神!ギジェルモ・オチョア選手
現在37歳のギジェルモ・オチョア選手ですが、メキシコのアメリカに所属し現役で活躍しているゴールキーパーです。
2004年からメキシコのアメリカでキャリアをスタートさせ、2011年からフランス、スペイン、ドイツとヨーロッパで活躍し2019年から古巣のアメリカに戻り今もプレーしています。
代表デビューは2005年で、2006年のドイツW杯から今まで4大会のW杯に代表として選ばれています。2021年の東京オリンピックにもオーバーエイジ枠で出場し、3位決定戦では日本と対戦し、メキシコの銅メダル獲得に貢献しました。
なんと今年のカタールW杯にも出場するとのことです。恐らく最後になるであろうW杯での活躍が楽しみですね。
まとめ
今回はメキシコの最新サッカー事情についてお伝えしました。メキシコ人はサッカーが好きな人が多いのでメキシコサッカーの基本知識があれば会話が盛り上がるのではないでしょうか?また最近注目の選手やレジェンド選手までの知識があれば、メキシコ人にも一目置かれること間違いなしです。
メキシコ在住の方は4年後の北アメリカW杯でメキシコの都市で開催される試合を見に行ってみては?
Amigaではこれからもメキシコ生活に役立つ情報を発信していきます!