メキシコの昼食文化といえばフォンダ
メキシコ人の昼食を支える「フォンダ」。フォンダとは簡単に説明すると「メキシコ版定食」を提供する大衆食堂のことです。フォンダで提供されるメニューはセットメニューになっていて、スープ+パスタかお米+メインに飲み物がついて70ペソ(日本円で約490円)からと、お手頃な値段でお腹もいっぱいになる労働者の味方なのです。
フォンダの始まりは1870年代から1910年代にまで遡ります。それ以前の労働者は昼休みになるとお昼ご飯を食べるために一旦自宅へ戻っていました。しかし、都心部で働いている労働者は職場と自宅が離れていて帰宅に時間がかかり、お昼休みの時間が足りませんでした。
その結果、手頃な価格で早く食べる事ができるフォンダが都市部周辺でオープンし始めたのです。
今ではメキシコのあらゆるところでフォンダを見かけることができ、お昼時になると近場で働いている人たちがぞろぞろとお店に入っていきます。
また、メキシコのランチタイムは日本よりも遅く14時頃からとなります。その為フォンダも13時から営業しているお店が多く(中には朝食から提供しているお店もあります。)、閉店はランチライムが終わる17時頃までが一般的です。14時から15時頃が一番賑わっており、混雑時はほぼ満席になるお店もあります。
それだけメキシコ人の中でフォンダは食事文化の中心の1つとなっているのです。
気になるフォンダのメニューとは?
まずメニューには「MENU DEL DIA」や「Comida corrida」と書いてあるお店が多いです。
メニューは基本的にはコースになっており、内容は
① ドリンク
② スープ
③ ご飯かパスタ
④ メイン
⑤ デザート
と、ボリューム満点です。
メニューは日替わりの所が多く、季節やイベントに合わせたメニューがあるお店もあります。例えば、こちらの写真は独立記念日限定のメニューで、独立記念日に食べられるノガダ(クルミと牛乳のソース)が掛かった鶏の胸肉の料理でペチューガエンノガーダ(Pechuga en nogada)です。
また、メニューは何種類かの中から選ぶ事ができるので、毎日通っても飽きません。
注文の仕方はというと、1品目のスープ、2品目のお米かパスタ、3品目のメインをまとめて最初に注文するお店もありますが、大抵のお店では最初にスープを聞かれて、1つずつ食べ終わったタイミングで次の料理のオーダーを聞きに来きます。
フォンダのメニュー
それではメニューを詳しく説明していきましょう。
フォンダの軒先には写真のような看板が置かれています。
① ドリンク
メニューの中でAgua del dia(アグア デル ディア)と書いてあるもので、お店に寄って日替わりで様々なAguaが提供されています。
下の写真は左側がパパイヤのジュースで、右側の写真がオルチャタ(お米で作られた甘い飲み物)のアグアです。
② スープ
コンソメスープやメキシコの定番スープなど、お店によって豊富な種類があります。左側の写真はコンソメスープ、右側の写真はSopa de Tortilla(ソパデトルティーヤ)というトマトベースのスープの中にトルティーヤが入ったスープです。
③ ご飯かパスタ
ご飯は日本の白米のようなものではなく、ピラフのような味のついたご飯が出てきます。パスタは本格的なイタリアンパスタのようなものではなく、柔らかくした麺にシンプルな味付けで和えてあるものが多く、日本の給食のスパゲッティのようなイメージです。
④ メイン
バリエーション豊かなので後ほど詳しく紹介していきます。
⑤ デザート
食後のデザートはお菓子のような小さめなものが多いです。
これだけでもお腹がいっぱいになるのですが、更に主食として、トルティーヤやパンもついてきます。トルティーヤとはメキシコ人の主食で小麦粉やとうもろこしの粉で作られた薄いパンみたいなもので、この上におかずを乗せて食べたり、ソースに付けたりします。
食べきれなかった場合は持ち帰りも可能です。メキシコではほとんどのお店で持ち帰りができるのです。
ちなみにお店に直接連絡をすると配達をしてくれるお店もたくさんあり、忙しい時にはとても便利です。
メインの定番メニューについて解説!
ここで先ほど紹介していなかったメイン料理について紹介していきましょう。
メインのおかずのことをGuisado(ギサド)と言います。
お店によってラインナップは異なりますが、代表的なメニューをいくつか紹介していきます。
・Milanesa(ミラネサ)
南米各地で食べられているもので、日本でいうカツレツのようなものです。
・Empanizado(エンパニサード)
こちらも揚げ物の事で、お肉だけでなくFile de pescado empanizado(魚の切り身のフライ)を提供しているところもあります。
・Asado(アサド)
Asadoとはローストという意味で、Pechuga de pollo asada(鶏の胸肉のロースト)やcarne Asada(牛肉のロースト)などがあります。
・Enchilada(エンチラーダ)
メキシコの代表料理のひとつでもある、エンチラーダ。エンチラーダとはとうもろこしでできたトルティーヤに鶏肉や牛肉を包み、辛いソースに浸した料理です。
・Pollo con mole(ポジョコンモレ)
mole(モレ)とはソースのことで、こちらもメキシコの代表料理のひとつです。鶏肉にモレソースかけた料理です。チョコレートソースのモレが有名ですが、pollo con verde(ポジョコンヴェルデ)と言う緑の辛いソースをかけたものなどもあります。
他にも煮込み料理やタコスが選べたり、定番メキシコ料理の色々なメニューがあり、お店によってメニューも異なります。
ローカルな通の食べ方は、おかずとご飯を一緒に頼んでトルティーヤに包んで食べることも!
まとめ
フォンダはボリューミーかつ手ごろな値段で食べることができるのでメキシコの労働者にとって本当にありがたく、日本のお母さんの定食屋さん的な存在です。特に物価の高い都心部では庶民のオアシスです。
また、大抵のフォンダのお店のメニューは日替わりなので「今日はどんなメニューがあるかな」と毎回ワクワクしてしまいます。
皆さんもメキシコに来たらぜひフォンダに足を運んでみてはいかがでしょう。