2023/03/31

神のお酒!?メキシコでしか飲めない地酒「プルケ」の秘密

メキシコのお酒と言ったら何を思い浮かべますか?多くの人が「テキーラ」を思い浮かべるのではないかと思います。 実はメキシコには代表的な3つのお酒があり、一つ目がみなさんもよくご存知の「テキーラ」。二つ目はスモーキーな味が特徴の「メスカル」。そして最後が「プルケ」です。 テキーラやメスカルに比べあまり馴染みのない「プルケ」。 そこで今回はメキシコを代表するお酒「プルケ」を紹介していきます!

メキシコの地酒「Pulqque(プルケ)」とは?

出典 - https://viajes.nationalgeographic.com.es/gastronomia/pulque-bebida-mexicana-dioses_18037

プルケとはリュウゼツランの一種でメキシコ原産の「マゲイ」という植物から作られるメキシコの地酒です。

マゲイとは見た目はアロエを大きくしたようなもの(以下の画像)で、プルケの他にロープや布などの原料としても知られています。メキシコではマゲイは古くから神聖なものだとされており、儀式の際に使用されていたそうです。

メキシコではマゲイは古くから神聖なものだとされており、儀式の際に使用されていたそうです。

プルケの歴史はテキーラよりも古く、​​1000年程前から人々はプルケを飲んでおり、チョルーラのピラミッドではプルケを飲む人々の壁画が発見されています。ちなみにこの壁画が1000年程前から飲まれていたという証拠になっています。

その後、アステカ文明の時代には儀式の時に飲む神聖なお酒として扱われており、「神のお酒」とも呼ばれていました。飲む事が許されていたのは司祭と戦士のみでしたが、飲む量も決まっており、高い地位の司祭であっても飲み過ぎたら罰を与えられたそうです。

その後、アステカ文明の衰退と共に規制が緩まり、一般の人々にも普及されていきました。

スペインの植民地となるとプルケの消費量は更に増え、独立革命後はプルケの専門店(後ほど詳しく説明します。)がメキシコシティ内だけで1000店舗までに増え上がり、区画の隅にほぼ1店舗はあったそうです。

しかし、1900年代半ばにビール産業が拡大したためビールはプルケに取って代わり、プルケは衰退してしまったのです。現在ではメキシコシティにあるプルケの専門店も100店舗ほどになってしまったと言われています。

プルケの作り方は?

プルケはナワトル語で「腐敗する」という意味の「poliuhqui」または「puluuhqui」に由来します。

その名の通り、プルケはマゲイを発酵させて作られています。

マゲイの真ん中に溜まった樹液をAcote(アコテ)というひょうたんの一種で作られた大きくて細長いストローみたいなもので吸い出します。

吸い出した樹液を大樽に入れ、7~14日間発酵させるとプルケが完成します。発酵が進むのが早く、賞味期限も4~5日程と短いため、国外への輸出が非常に難しいお酒です。

ではプルケは一体どんな味をしているのでしょう。

見た目は白濁していて、マッコリみたいなイメージです。アルコール度数も3~4%程度とそこまで高くありません。飲むと少しどろっとしていて微発泡のヤクルトみたいな味わいです。独特な味をしているので好き嫌いは別れるかもしれません。お店ではフルーツフレーバーのプルケも置いてあり、そちらの方が飲みやすいです。

こちらの写真は左からセロリ味、グアバ味、ベリー系の味です。写真で見ると怪しげですよね。

プルケの専門店「Pulqueria(プルケリア)」とは?

出典 - https://ja.healthy-food-near-me.com/pulque-the-ancestor-of-tequila-and-mezcal/

プルケ専門店のことを「Pulqueria(プルケリア)」といいます。ちなみにメキシコでは○○専門店のことを「○○ria」といいます。Pulque(プルケ)の場合、「Pulque」+「ria」で「Pulqueria」(プルケリア)になります。

現在メキシコシティのプルケリアはかなり減ってしまいましたが、それでもなおソカロ地区を中心に存在します。プルケリアの典型は派手な壁画が書かれており、店名にオペラのタイトルなどが使われています。

また、床にはおがくずが置いてありました。それはなぜかというと母なる大地への御供物としてプルケを床に少しこぼすという古くからの伝統のためだそうです。

下の画像がプルケのメニューです。

Naturalはオーソドックスの白色のプルケ、Curadoがフルーツフレーバーのプルケです。

プルケ博物館に行ってみよう

出典 - https://www.facebook.com/mupyp/

実はメキシコシティにはプルケの博物館まであるのです。プルケの歴史や製造方法はもちろんのこと、プルケを発酵させる為に豚やヤギの皮で作った樽の展示、プルケ瓶のコレクションやプルケにまつわる言葉などの展示があります。

またプルケリアも併設されており、こちらでプルケを飲むこともできます。

住所:Av. Hidalgo 107-109, Centro Histórico de la Cdad. de México, Guerrero, Cuauhtémoc, 06300 Ciudad de México, CDMX

営業時間:(月・水〜土)11:00~20:00 (日)11:00~18:00

定休日:火曜日

Museo del Pulque (プルケ博物館)

HPにもプルケに関連するクイズが載っていたりするので、興味がある方は是非見てみてください。

まとめ

メキシコの三大地酒の一つ「プルケ」。

発酵が進むのが早く、輸出が難しいお酒なので日本ではほとんど飲む事ができません。現地でしか楽しめない貴重なお酒なので、メキシコにきたら是非「プルケ」を試してみてください。

メキシコでもっとお酒を楽しもう!<メキシコを代表するお酒3選>知って得する!テキーラにまつわる5つの基礎知識テキーラを新たな趣味にするための4つのステップ
1/1
お気に入り

特集

amigaピックアップ