企業の行うアクティビティー
企業が行う全てのアクティビティーについてリスクがないものはないだろう。
起業すること自体がリスクを伴うものであり、モノを作れば工場内の事故など製造上のリスクが生まれる故、販売すればカスタマーからのクレーム等のリスクも生じる。貿易についても然りである。当然商社などではカントリーリスクや海外の客先の信用リスクなど、貿易だけでもかなりの数の「チェックポイント」をリストアップし、夫々に就き、どのようにミニマイズするか、或いは、ヘッジするか日々検討・議論を重ねている。
企業管理体制
筆者のように貿易コンサルティングに従事していると、客先の貿易オペレーション監査を依頼される。納税庁(SAT)の監査、つまり抜き打ち検査がある前に悪い所があれば、それらを当社のような外部のコンサルティング会社にチェックして貰い、それらをクリーンアップしておくことで、SAT の監査があった際の未払税金や追徴金、ひいては罰金をゼロ、或いは、出来る限りゼロに近い数字に抑えようと言う趣旨である。
このような、特に貿易オペレーションの外部監査、或いは第三者監査を行っていると、特に IMMEX 企業*1で社内の管理がなっていないと感じられる事がある。
勿論、非IMMEX企業も管理が甘いところはあるが、問題はIMMEX企業の場合、管理を厳しくしないといけないと言う周知の事実があるにも関わらず「管理が甘い」と言う事である。
*1 : IMMEX : 以前のマキラドーラ制度及びPITEX制度が一つに統合された貿易促進のためのプログラム。IMMEX登録を行う事により通関法第108条で規定されている『製造・加工・修理のための一時輸入』が可能となる。
著者:伊藤 亮
■略歴
UNAM(メキシコ国立自治大学) 経済学部卒
貿易・通関コンサルティング会社
JATRAC(Japan External Trade Consulting S.C.)社長
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