LMB メキシカンリーグとは？

メキシカンリーグはアメリカのメジャーリーグ (以下、MLB) とはまったく別の独立したプロ野球組織で、外国人枠の制限も存在しています。MLBからはマイナーリーグ最高峰の*3A（トリプルA）クラスが与えられているため、多くの所属選手はMBLを目指し、メキシコにやってきてプレーします。

*3Aクラス：MLBの下部組織であるマイナーリーグは5階級に分けられており、3Aは最高峰クラスであり、ここで活躍するとMLBへの道が開かれる。

1925年に設立されたメキシカンリーグは、日本やキューバと同様に組織化された歴史ある野球リーグでメキシコ国内ではサッカーと並んでとても人気のあるスポーツなのです！　

MLBとの交流も盛んで、メキシカンリーグで活躍すればMLBへの扉が開き、またMLBで活躍を終えたプレーヤーが多くメキシカンリーグでプレーする活発なリーグです。そんなメキシコのプロ野球リーグに日本から挑戦する選手も沢山います。

日本人選手もプレー！

2000年に入った頃から継続して日本のプロ野球界から日本人選手が地球の裏側のメキシコに自身のキャリアパスを求めて挑戦し続けてきました。最近では2019年2月に阪神や横浜DeNAで活躍した久保康友選手がレオンブラボーズに移籍、オールスターに選ばれた上に、シーズン中154の三振を奪い、リーグ最多奪三振のタイトルを獲得しました。その後、レオンブラーボズを退団することになりますが、多くの日本人が住むレオンでの彼の活躍は今でもファンの間で語られています。

実はあの選手も！

日本球界からキャリアパスを求めメキシカンリーグに挑戦する選手がいる中で、MBLでプレーし、悔しくも戦力外になった後、メキシカンリーグで実績を積んで再度MBLへの復帰を求める選手もいました。それが、ティファナ・ポトロスに在籍したマック鈴木選手と藪恵壹選手です。マック鈴木選手はMBLのオークランド・アスレチックスとのマイナー契約後メキシコへ、藪選手は同じくアスレチックスを経てティファナ・ポトロスへやってきました。

両選手は共にメキシカンリーグでの実績をもとに再びMBL(マック選手はシカゴ・カブスの3Aへ、藪選手はサンフランシスコ・ジャイアンツ)への復帰を果たしました。

侍JAPAN　中村勝選手も活躍中

そんな魅力たっぷりのメキシカンリーグですが、今シーズン(2021年)はグアダラハラ・マリアッチスで快挙を成し遂げた中村勝選手に注目が集まりました！

中村勝選手は2009年に日本ハムファイターズにドラフト１位で入団、2019年に同球団を退団後、オーストラリアン・ベースボールのブリスベン・バンディッツを経て、2021年2月、日本ハム時代の同僚であるルイス・メンドーサがGM（ゼネラルマネージャー）を務める新規参入の球団グアダラハラ・マリアッチスに入団しました。

メキシコで快挙！

その中村選手！なんと今季は８勝０敗でメキシカンリーグ最優秀投手に選出されました！

5月から始まった今シーズン、9試合に登板し8勝0敗、防御率3.25をマーク。最多勝を獲得しただけでなく、チームの地区優勝に貢献しました。そして、最優秀投手の個人タイトル獲得はメキシカンリーグにおいて日本人選手としては初、もちろんグアダラハラ・マリアッチスとしても初の快挙でチームもファンも中村選手の快挙を喜んでいます。

言葉も文化も習慣も違うメキシコで、しかもプロ野球リーグで８勝負けなしの最多勝を獲得するのは日本球界にとっても嬉しいニュースですね！グアダラハラに在住の日本人の間でもこの話題にはメキシコで生活するうえでとても勇気づけられました。

メキシコでの野球観戦

メキシカンリーグはどうしても、メジャーリーグへのステップアップというように見られてしまいますが、歴史あるリーグ自体の人気も見逃せません。最近では中村選手の活躍もあって、在住日本人の中でも野球観戦に行かれる方も増えてきました。

球場ではタコスやトルタなどの軽食、もちろんビールを飲みながら、メキシコらしく家族連れ、仲間同士の観戦が賑やかで、球場場内は幸せな雰囲気に包まれています。

メキシコ野球界はその発展に国外からの刺激が必要なことは自覚していて、今後もMBLや日本プロ野球協会との選手の交流を積極的に行っていく意向を示しています。そういう意味では、日本人選手の活躍の場になるメキシカンリーグの存在はこれからも見逃せませんね。

球場では各チームによってプロモーションも盛んです。入場無料日があったり、選手との交流イベントも沢山あるんですよ！　メキシコ滞在中には是非近くのスタジアムへの観戦してみてはいかがですか？　野球好きだけなく、賑やかな雰囲気を楽しめるメキシコ好きには絶対オススメです！

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