【グアダラハラの基本情報】
①基本概要
グアダラハラはハリスコ州の州都で「西部の真珠」と呼ばれる美しい街です。
一年を通して平均気温が21度ととても過ごしやすいのも特徴です。
市の面積は150㎢あり、2022年現在では都市圏人口が520万人を超えており、メキシコシティに次ぐメキシコ第2位といわれています。
大都市ながらスペインの植民地であった面影を残す古都で、名前の由来でもあるスペインの都市グアダラハラや日本では京都と姉妹都市提携を結んでいます。
1530年代にスペイン人が入植し、その後に人口が急増したこともあり1541年には早くも市制施行されました。先住民族(インディオ)との争いの中で町は発展を遂げ、1810年にメキシコ独立指導者ミゲル・イダルゴはメキシコ独立戦争の最中にグアダラハラに進軍し新政府を設置すると共に、ハリスコ州政府庁舎で奴隷解放宣言をするなど、グアダラハラは現在までのメキシコ建国を語るうえでもとても重要な都市の一つです。
②交通
グアダラハラはメキシコ第2の都市ということもあり、各地から飛行機、長距離バス共にアクセスがよく、グアダラハラ国際空港市内から車で約35kmの場所にあります。メキシコシティ、カンクンに次いでメキシコで3番めに利用者の多い空港で、アメリカ、カナダからの渡航者も非常に多いのが特徴です。
車ではレオンからは南西へ222km(約3時間半)、メキシコシティからは約550km(約7時間)に位置し、都市間の移動の際にオススメなのは長距離バスです。
メキシコの長距離バスはとても快適でグアダラハラへも各社のバスが頻繁に運行していますので、メキシコシティからケレタロ、グアナファトなどの他の街を巡りながらグアダラハラを目指す場合は長距離バスを利用してみるのが便利です。
③治安
グアダラハラの治安は比較的良いとされています。街の中心部には警察官の姿も多く、警備が行き届いていると感じます。もちろん、都市の規模が大きいこともあり、訪れる地域・地区によっても変わってきますので注意が必要ですから防犯に対する基本的な心構えはしておくのがベストです。
amigaではグアダラハラの治安について記事がありますので参考にしてください。
【治安情報】気になるハリスコ州グアダラハラの治安【グアダラハラ 5つの魅力!】
スペインの入植からメキシコ独立戦争の舞台としても歴史的には色濃く、当時の建造物も多く残るグアダラハラは先述した通り「西部の真珠」と呼ばれる美しい街で、近年は更なる発展も著しく国内外から注目が集まる街で魅力は沢山!今回の記事ではその沢山の魅力の中から5つをご紹介します!
(魅力その1:歴史地区の散策)
街の中心部でもある歴史地区(Centro Histrico) の散策はグアダラハラの魅力を楽しむうえで欠かせません!
歴史地区には並木道の広場、荘厳な大聖堂、重要な文化施設、にぎやかな市場などグアダラハラを満喫できる沢山の魅力が集まっています。歩行者専用の通りがいくつもあるので、小さなお子様連れにも安心して散策ができるのも魅力ですよね。
【アルマス広場】
アルマス広場はグアダラハラ大聖堂とハリスコ州庁舎に囲まれていて散策の起点として最適ですので、是非こちらからスタートしてみてください。
【ハリスコ州庁舎】
ハリスコ州庁舎ではグアダラハラ出身でメキシコ美術の巨匠「ホセ・クレメンテ・オロスコ(José Clemente Orozco)」が描いた壁画を見ることができます!とくに独立戦争の指導者ミゲル・イダルゴを描いた「戦うイダルゴ神父」は必見!これだけでグアダラハラへ来る甲斐がありますよ。
【グアダラハラ大聖堂】
グアダラハラのシンボルでもあるカトリック教会の大聖堂は1541年に建てられ、火事での消失を経てなんと51年の歳月をかけて1618年に再建されました。
スペインのネオルネッサンス様式で建てられたその大聖堂は外観の荘厳さ、そして内部の装飾もとても見応えがあります。グアダラハラといえばこの大聖堂が紹介されているので一度は訪れたいですね。
【レボルシオン公園】
アルマス広場から西へ1.5kmにはグアダラハラ市民の憩いの場、レボルシオン公園があります。こちらで歩き疲れを癒やすのも良いですし、その先にある美しいカトリック教会を訪れるのもオススメです。グアダラハラの中心部にはこうした緑豊かな公園が点在していますので、徒歩で散策するには最適な街ですね。
(魅力その2:世界遺産)
【オスピシオ・カバーニャス】
オスピシオ・カバーニャスは1791年に司教カバーニャスによって建てられた、ラテンアメリカ最古の孤児院および病院の複合施設です。
スペイン語圏ラテンアメリカにおける最も歴史が古く、規模の大きい総合病院であり、1997年、文化遺産として世界遺産に登録されました。
ここでの見所もやはり、巨匠ホセ・クレメンテ・オロスコによる天井画や壁画です!
内部の装飾の見どころとして、チャペル内に位置する、彼の手による50以上のフレスコ画や天井画廊がありますが、その中でも、彼の最高傑作である、天井に描かれた『炎の人』(1936年-1939年)は圧巻です。先述のハリスコ州庁舎内にある『戦うイダルゴ神父』と共にこれらの壁画はグアダラハラを訪れた際にはお見逃しなく!
現在、本施設はカバーニャス文化協会として機能し、美術の展示会や、市民の催事場として市の文化教育の中心を担っています。
【マリアッチ】
オスピシオ・カバーニャスは有形の世界文化遺産ですが、グアダラハラには無形の世界文化遺産に登録されているものがあります。それが、メキシコではおなじみのマリアッチです。
ハリスコ州で生まれたマリアッチは、伝統的な音楽とメキシコ文化が織りなすメキシコの魅力です。伝統的なマリアッチのアンサンブルには、トランペット、ヴァイオリン、ヴィウエラ、ギタートーン(ベースギター)などがあり、 チャロの衣装を着たミュージシャンが4人以上いるグループが一般的です。 現代のマリアッチ音楽には、国内のさまざまな地域や音楽ジャンルが幅広く取り入れられていて何度聞いてもその魅力的な音楽に酔いしれることができます。
マリアッチに演奏を依頼する方法は様々で、グループ毎やシチュエーション毎に価格も変わります。
観光地価格があることは否定できませんが、日本人だからといって多めに請求されることはありませんので安心して先ずは率直に価格を聞いてみるのがオススメです。amiga調べでは1時間で約350-650ペソでおおよそ15曲から20曲の演奏が相場。また1曲からの依頼も約20-30ペソで演奏してくれます。
(※注 マリアッチの演奏価格は街、ロケーション、シチュエーション、バンドの人数やレベルによって変わりますので参考までに。)
是非、本場グアダラハラの広場やカフェでマリアッチの演奏を聞いてメキシコの魅力を肌で感じてみてはいかがでしょうか? 一生の思い出になること間違いなしです!
(魅力その3:テキーラ)
メキシコで最も有名なこの飲み物はハリスコ州の同じ名前の町から来ていることをご存知ですか?
テキーラ村(サンディアゴ・デ・テキーラ)はグアダラハラから約50km離れた場所に位置するテキーラの産地です。グアダラハラからの日帰りツアーや宿泊もできるツアーもあってグアダラハラを訪れる人達に人気の目的地の一つです。
メキシコでお馴染みの蒸留酒テキーラは、古代アステカからの伝統的な醸造酒であるプルケが、スペイン人(コンキスタドール)によって蒸留酒として製造がはじまりました。この蒸留酒は総称でメスカルと呼ばれますが、テキーラ村で特定の竜舌蘭、ブルーアガベを原料として作られるものだけを、1994年に「テキーラ」として原産地呼称を導入したため個別名称となりました。
2006年に「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」は、世界遺産にも登録され、世界中のテキーラ、メスカルブームの影響もあり、テキーラ村には連日国内外から沢山の観光客が訪れています。
「テキーラ」そして「テキーラ村」についてはそれだけで1記事が書けるほどテキーラの全てが体験できる場所ですので今後amigaでも紹介する予定ですのでご期待ください!
テキーラ村では原料のアガベ(竜舌蘭)畑から、テキーラになる行程をみることができるのはもちろん、いくつかある蒸留所を訪問してそれぞれの美味しさを比べることもできます。個人で訪れるのももちろん楽しむことが出来ますが、より深くテキーラの魅力を体験したい方にはツアーに申し込むのがオススメ! 日系も含めメキシコ国内の旅行会社はテキーラ村ツアーを沢山提供していますし、日本から申し込めるツアーもあります。鉄道に乗ってテキーラと音楽を楽しむことができるテキーラトレインというツアーもあってお酒が好きな人もそうでない人も楽しめるメキシコらしい陽気な体験をすることもできますよ!
(魅力その4:ご当地グルメ)
メキシコには「食の都」を謳う都市が多くありますが、グアダラハラもその一つです。その中でもグアダラハラ市民が愛して止まないちょっと変わったご当地グルメがこちらです。
【Torta Ahogada トルタ・アオガーダ 溺れるトルタ】
名前の妙もさることながら、その見た目も正に溺れています。
メキシカンサンドイッチとして最近は日本でも人気の「トルタ」。
そのトルタをメキシコのサルサ(ソース)に浸して提供されるトルタアオガーダはグアダラハラを訪れた際は是非とも食べて欲しい1品です!
文字通りパンがソースに浸っているので、見た目は「え??」っとなりますが、味は絶品! (筆者談)です。街歩きでお腹が減った後、屋台やカフェで食べてみてはいかがでしょうか?
その他にもグアダラハラにはご当地グルメがあります。amigaのこちらの記事に紹介しているので是非参考にしてみてください。
【絶対に食べたい!】ハリスコ州グアダラハラのB級グルメ(魅力その5:グアダラハラ周辺の魅力)
【トラケパケ】
トラケパケはグアダラハラ郊外にある、都会の喧騒から逃れ、趣のある魅力が楽しめる地域です。
アルテサニア(手作りの工芸品)で有名なこの小さな地域には、芸術家、ミュージシャンが集まり、その雰囲気に引き寄せられる観光客も沢山います。
街中には大小沢山のアクセサリーや陶器のショップが並び、街中はカラフルなパペルピカドやリボンで装飾され、美しいコロニアルな建物がより一層華やかに写り、最近ではSNSでも「映える!」ということで人気です。
グアダラハラ市内から車またはタクシーで10分と近く、日曜日になると市内から自転車やジョギングでトラケパケへ訪れる人達で賑わう、市民からも憩いの場として愛される場所です。
【チャパラ】
グアダラハラから南へ車で約1時間のところにあるチャパラ湖のことをご存じですか?
海の印象が強いメキシコですが、チャパラ湖はメキシコで最大の湖。湖畔にはチャパラやアヒヒクなど、素敵な町があります。穏やかな気候と美しい環境のおかげで、チャパラ湖は外国人観光客、欧米からのリタイア移住者にも人気がある町なので町並みもとても可愛くお洒落な場所です。
日本人にはあまり知られていませんが、チャパラ湖では湖畔のマレコンと呼ばれる道に沿って散歩を楽しんだり、湖の小さな島々への短いボートトリップに出かけることも出来ますので、のんびりと休日や旅行を楽しむ人達には魅力的な場所でオススメです。
まとめ
今回はメキシコ第2の都市グアダラハラを紹介しました! 荘厳な歴史地区、有形無形の世界遺産、テキーラやマリアッチ、メキシコらしい賑やかで楽しい日常があるグアダラハラ。
グアダラハラ市内だけではなく、周辺の街もとても魅力的ですので、時間があれば日帰りではなく2、3日宿泊してその魅力を堪能してみてはいかがでしょうか?
次回の街紹介もお楽しみください。